16あなたの愛が正しいわ~
本專欄僅供學(xué)習(xí)和作為交流資料使用??

16 期間限定の愛
待ち構(gòu)えていたデイヴィスは、私に手を差し伸べわざわざ馬車から降ろしてくれる。
「デイヴィス、どうしたの?」
「……ローザ、こんな時間までどこに行っていたんだい?」
デイヴィスに『こんな時間』と言われて、私は空を見上げたけど、朝早くから出かけたので、まだ日は高い。
「私に何か用事があったの?」
「いや、そうじゃないけど……。誰と會っていたの?」
「グラジオラス公爵夫人よ」
「夫人だけ?」
「いいえ、公爵令嬢のアイリス様にもお會いしたわ」
「……そう」
デイヴィスは、何か言いたいことを我慢するように口を閉じた。最近のデイヴィスは、こんな顔ばかりしているような気がする。
デイヴィスの提案通り、程よい距離の夫婦関係になってから私は毎日楽しく過ごしているのに、デイヴィスはあまり楽しそうに見えない。
もしかしたら、デイヴィスは、妻である私の存在が許せないほど、愛人に本気になってしまっているのかもしれない。
「デイヴィス。私たち、一度話しあったほうがいいと思うわ」
デイヴィスは、顔を青くしてゴクリと生唾を飲み込んだ。
「あとで私の部屋に來てくれる?」
「わ、わかった」
デイヴィスと一度別れ、私はメイドにワインを部屋に運(yùn)ぶように指示した。
さすがのデイヴィスも、愛人についてペラペラ話すことはしないだろう。どうしてもデイヴィスが口を割らない場合は、彼にお酒を飲ませて語らせようと私は企んでいた。
メイドがワインを運(yùn)んでくると、ちょうどデイヴィスもやって來た。デイヴィスはメイドと入れ替わりに部屋に入り、なぜかしっかりと內(nèi)側(cè)から鍵をかける。
そして、振り向きざまに私に向かって叫んだ。
「君がなんと言おうと、絶対に離婚はしない!」
「……え?」
予想外の言葉に私はデイヴィスをまじまじと見つめる。
「それじゃあ、あなたの愛人は……?」
「愛人??? 愛人がいるのか???」
デイヴィスに両肩をつかまれて「どこのどいつだ!? その男を殺してやる!」と凄まれた。
「えっと、デイヴィス、落ち著いて?」
「落ち著いていられるか!? 君にふれていいのは僕だけだ!」
酔っているのかと思ったけど、デイヴィスからお酒の匂いはしない。
「私に愛人はいないわ。愛人がいるのは、あなたでしょう?」
「僕に!? そんなのいるわけがない! 君は、どうしてそんなひどいことが言えるんだ!?」
興奮するデイヴィスに私は冷靜に説明した。
「だって、あなたはだんだんと帰る時間が遅くなっていったし、私の寢室にも來なくなったじゃない。外に愛人をつくったと思うのが普通じゃないかしら?」
「それは、仕事が忙しくて……」
デイヴィスは居心地悪そうに視線をそらす。
「じゃあ、あなたに愛人はいないの?」
「いないよ! 君はどうなの?」
「いないわよ」
デイヴィスは、「はぁ」とため息をつきながら、私を抱きしめた。
「よ、良かった……。もう少しで殺人を犯すところだった」と笑えない冗談を言う。
「ローザ、愛している」
そうささやくデイヴィスの瞳には、かつて私に向けられていた熱が宿っていた。
「今日は、僕たちが寢室を共にする日なのに、君は朝から出かけてしまうし……」
そう言えばそうだった。ついこの間まで、デイヴィスが忘れていたのに、今は私が忘れてしまっていた。
「ローザ、本當(dāng)に愛しているんだ。僕が愛するのは君だけだよ。愛人をつくるなんて、ありえない。信じてくれるよね?」
私は、一人で盛り上がっているデイヴィスを冷靜に分析していた。
もしデイヴィスの言葉が本當(dāng)なら、この人の愛は、私が彼を愛したら冷めるのに、私が彼を愛するのをやめると燃え上がるらしい。
だから、今、デイヴィスの愛を受け入れると、また彼はいつか私をうっとうしく思う日が來るはず。もうデイヴィスに振り回されるのは嫌だった。
そのあとのデイヴィスは、良く言えば情熱的で、悪く言えば、しつこくねちっこかった。彼の腕に抱かれながら、私は『今度の愛は、いつまでもつのかしら?』とぼんやりと思っていた。
系